学府に告ぐ

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暑い…

 

うだるような暑さというのか、脳がちゃんと機能してる気がしない。こうして座ってるだけでも体力がどんどん削られていく。

 

天気予報によると、今日の気温は今年最高の38.4℃を叩き出したという。そして、我が家のクーラーは故障中…まさに生き地獄である。38℃って、人体で考えても高熱じゃないか。頭も回らなくなるわけだ。

 

で…僕は再び机上を見回す。そこには数枚の原稿用紙、シャーペン、そして「羅生門」の文庫本。このクソ暑い中、僕は読書感想文を書かなければいけないのだった。

クーラーが壊れるとわかっていればもっと早く着手していたのに…と思ったが今さら後悔しても仕方がない。観念してシャーペンを手に取る。

だが、自分の考えてることもわからない酷暑の中、何十年も昔の作家の思惑なんて推しはかれるはずがない。一体全体どうして学校は読書感想文を夏休みの宿題にするのだろう。夏に本なんか読んだら手汗でページがふやけてしまうではないか。そもそも夏と読書はどう考えても相性が悪い。せめて冬休みの宿題にしてくれ。

 

…そんなことより早く感想文の取り掛からないと。えーっと、「私が『羅生門』を読んで思ったことは」……思ったこと…?

 

 

そんなもんねえよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!バーーーーーーーーーーーーーーーーーカ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

…いけないいけない、取り乱してしまった…だがとにかく何も思いつかないな…だいたい普段から本読んでも「はーそうですか」ぐらいしか思わないのに…

 

どうしよう…とりあえず最初に軽くあらすじを紹介しとくか?それともなんか適当に社会問題と結びつけたりとか…全然わからんなあ。あ…ネットで調べれば出てくるかな…でもなんて調べればいいのかな…「読書感想文 書き方」で…あーでもそれも面倒くさい…

 

…ん?

今なんか、セミの声に混じって…

 

 

 

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本日全国各地猛暑日となり」

「本日はお日柄もよく」

「群県市では40℃を超暑が」

「こまめに水分補給熱中に気をつ

「足元が悪い中お集まりいただきあ」

夏休も終子どもたちのや」るを」引」き出す

 

 

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 羅生門」を読んで

 2年C組 秋葉原バラバラ殺人事件

 

羅生門」から私が読み取ったものは、現代社会におけるジゴロの重要性ということです。ジゴロは、あらゆる規則が形骸化し、そしてそれが正常に機能しているこの異常な社会における臨床病理学の第一人者であり、女を食い物にし、己の精を新たなる通貨と見立て、それこそEUどころではない国家共同体を築かんとするニュー・カマー・レジェンドであるわけです。

ああ、長生きなんてするもんじゃないよ、婆さんは呆けて飼い猫を鍋にして食い、息子はカストリ雑誌にしか見向きされない三文文士だ、何も期待できないよ。俺はいつも考えてる、世界の真理、人類の平等、戦火の止まぬ世界で、俺は何色のソフトクリームを食べればいい? 

おや、雨が上がったようだねえ、知ってるかい、三丁目に新しくできたラーメン屋、あすこのチャーシューは犬だってよ、わざわざペットショップで血統書付きのを買ってきて、薄切りにして醤油に漬けとくのさ…フフフ、なんだか妙な気分になってきちまった、吉原は無いんだよ、もう…デジャビュを見たい時に見れる男の話はしたかな?…何を言いやがる、私は狂ってなんかいないよ、狂っているのはお前らの方だ。狂っているのはお前らだ。わかったかい、わかったらさっさと出て行きな、オ恩が来る前に、ほら、急がないとオ恩が来る、奴は母親にそっくりなんだよ、誰の母親に似てるとかじゃない、母親そのものに似ているんだよ…キュルキュルキュル…キュルキュル…

何と言えばいいのかわかりません、僕はただ、彼女を気持ちよくさせようとしただけなんです。刑事さん!聞いてくださいよ、僕は必要とされてるんだ、一人の、いや、一国を統べるジゴロとして…僕は……もう遅いんですか?じゃあいいです…花でいっぱいの棺桶を用意してください…誰も見たことがないような、美しくて大きい花でいっぱいの……

だから私は、「羅生門」という作品は、時代や社会に関係ない、普遍的な「人間の性」を鋭く批判した風刺小説ではないかと思いました。

 

 

 

 

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全学府に告ぐ


夏は人を惑わせる

至急読書感想文を夏休みの宿題から除外されたし。