人生

「世の中には『情報』が多すぎる。全ての人が表現の自由を享受し、その権利を一人一人が行使した結果、この世にはおびただしい量の『情報』が生まれた。『情報』は時として形ある物質より大きな質量を持つ。近年の地球温暖化や異常気象などといった自然問題は決して環境破壊が原因なのではない。地上に存在する膨大な『情報』の重さによって地球の地軸が傾いてきているのだ。このまま人類がなおも『表現』を続けるのならば、そのうち地球は公転の軌道を外れ、光の届かぬ深い闇へと墜ちていくことになるだろう。明日明後日という近々の問題ではないにせよ、長い目で見ればこの未来は免れない。もう一度言おう。世の中には『情報』が多すぎる。全ての人が表現の自由を享受し、それを自由に行使することができる、それは素晴らしいことだ。私はそこに何かを物申すつもりはない。ただ、私には地球の声が聞こえる。『月から離れたくない、太陽から離れたくない』と訴える地球の声が聞こえる。そのせいだろうか、私は何かを表現する時、一抹の後ろめたさを心の片隅で感じずにはおれないのだ」と一息にまくし立て、その日を自分の中で「新しい誕生日」と決め、以後話す・聞く・書くなど全てのコミュニケーションを放棄して8年間過ごし、『同い年のセミを全て見送って』から「ありがとう」と一言つぶやき、死ぬという意味ではなく『星になった』ジジイ