発展の限界

現在、東京メトロ及び都営地下鉄には路線ごとにアルファベット1文字の「路線記号」が定められています。

 

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基本的にこの路線記号は、例えば丸ノ内線ならM、東西線ならTといった具合で各路線名のローマ字表記の頭文字が割り振られているのですが、どうやらこのアルファベットは重複禁止らしく、中には頭文字以外の字が路線記号にあてはめられている例もあるのです。

 

例えば三田線は、頭文字をそのまま用いるなら路線記号は「M」になりますが、このMはすでに丸ノ内線に使われているため「I」が路線記号となっています。同様に半蔵門線も本来であれば「H」が用いられるところですが、先に日比谷線が路線記号をHに設定していたためか「Z」が採用されています。

 

加えて、東京メトロ都営地下鉄合わせて計13本の地下鉄全ての路線記号が「大文字のアルファベット」に統一されていることから、今後数字やひらがなカタカナ、小文字のアルファベットといった他の文字記号が路線記号に使われる可能性は低いと考えていいでしょう。

 

 

以上のことから、首都圏では最大でも26本しか地下鉄を開通できない、ということが予想されます。路線記号に大文字のアルファベットしか用いられず、なおかつ重複して使用することもできないのだとしたら、アルファベットの文字数と同じ26のパターンしか存在し得ないからです。

 

他の地域の地下鉄の路線記号がどのように設定されているのか私は知りませんが、もし東京メトロ都営地下鉄と同じ方式だとしたらこれは由々しき事態です。この先、どんな交通網が発達したとしても26本までしか地下鉄を走らせられないといった事態が全国で相次げば、現在隆盛している通販や宅配サービスにも大打撃を与えることは容易に想像できます。

 

「東京都内に限って言えば、まだあと13本(半分)も残っているのだから大丈夫なのでは?」と思われるかもしれませんがそうではありません。池袋サンシャインシティ地下2階と両国国技館を結ぶ直行線や海浜地区を中心にらせん階段状に展開している要人向けの送迎線といった民間向けでない路線も含めれば、使用できるアルファベットは残りわずかだと言われています。

 

このような問題に直面し、日本政府は全国の大学や専門家と共同で新しいアルファベットを開発するプロジェクトを秘密裏に進めてきました。しかし、英語を母語としているわけでもない私たち日本人が勝手にアルファベットを改変するという行為は重大な文化侵犯にあたります。一説によるとすでにCIAはこの情報を入手しており、計画を中止させるために来年6月までにプリネラミサイルを日本に撃ち込む可能性があるとも言われています。プリネラとはいわゆる暗黒物質の一種で、1㎤でおよそ10億トンの重さがある物質です。もしもこのミサイルが発射されたら地球は激しくめくれ上がり、熟れすぎたザクロのような形状となって公転軸を外れて暗い宇宙をさまようこととなりますからもはやこれは日本だけの問題ではありません。私たちは終わりです。築きあげられた功績も、塗り重ねられた悪行も全て無へと帰します。そこにはただ、かつて街と呼ばれた瓦礫が、山と呼ばれた砂粒が漂い、そして人と呼ばれたものたちはかすかに光を留めたままどこまでも流されてゆくのでしょう。全てが終わりますが、あるいはこれで良かったのかもしれません。平成の次の元号を発表します。「崇全(たかすべ)」です。