友情航海

〜追いつけないメリーゴーランドあるいは雨降りのローラーコースター〜

蟹の心

蟹に心があったとて

誰にそいつが分ろうか。

 

牛に希望(のぞみ)があったとて

そいつを誰が叶えよう。

 

象がことばを喋れたら

愚痴の一つも言えたのか。

 

鶏(とり)が地べたを駆けたとて

何から逃れられようか。

 

水も魚もありゃしない。

土に咳き込むわが娘。

 

虹を目指して得たものは

線香花火の夢の仇。

 

禿げた頭を頷かせ

鶏(とり)を屠ったわが娘。

 

学ぶに学ぶこともなし。

小屋に真冬の陽が落ちる。

 

妻に言われた買い物も

ろくに出来ないうつけ者。

 

たとえ嵐が吹いたとて

お前に何が失える?

 

暗い布団の片隅で

暗い風呂場の物陰で

女の声が聞こえたら。

女の影が見えたなら。

 

火をつけ、正気を保つのだ。

 

蟹に心があったとて

誰にそいつが分ろうか。

 

俺に明日があったとて

誰がそいつを掬おうか?

 

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今年はこういう詩をたくさん書いて芥川賞を獲りたいと思います。よろしくお願いします。